犬は、体に起きている異変を「震える」ことで知らせてくれます。
愛犬が震えるという行為には、病気の症状や精神的なものなど様々な理由があります。
目次
犬が震える原因と震えの症状
「愛犬がブルブル震えている」
こんな時、私たちはどうすればいいのでしょうか?
犬はしゃべることが出来ないので、どうして震えているのか伝えることができません。
犬が震えている原因を見つけるには、愛犬をよく観察することが大切です。
犬が震えるのは、病気が原因?
私たちも熱が出たり、寒い時に体が震えます。
これは、犬も同じです。
犬が震えている理由が病気の場合は、震える行為の他に「元気がない」「吐く」などの症状が加わります。
震え以外の症状が一緒に見られる場合は、何らかの病気が疑われるので動物病院を受診してください。
低血糖症で震える
長時間、食事が摂れていない状態の時に起こりやすい病気です。
- 震える(手足に力が入っているのような震え)
- 食欲がない
- ぐったりしている
- おう吐や下痢が続く
- 下半身の麻痺(立てない)
- 意識を失う
チワワやトイ・プードルのような小型犬や、子犬・高齢犬に多く見られます。
長時間、低血糖の状態が続くと脳に後遺症が起きる可能性があります。
最悪の場合は、死亡するケースあるので、食事が摂れていない場合は要注意です。
成犬の場合は、糖尿病やホルモンバランスの異常など別の病気が原因のことが多い。
何らかの中毒症状で震える
中毒症状も震えの原因となります。
どの中毒も重症化すると、死に至ることがあるので、すぐに動物病院へ連絡してください。
※中毒の原因となる物が分かる場合は、その事を獣医師に伝えましょう。
原因物が手元にあるなら、一緒に動物病院へ持っていくと、診察がすぐに行えます。
チョコレート中毒
- 震える(手足に力が入っているのような震え)
- おう吐や下痢
- 興奮(呼吸が荒くなる)
- 多尿や失禁
- てんかん
チョコレートに含まれるカカオの成分テオブミンが中毒の原因です。
食べてから4時間以内に発症します。
個体差がありますが、1kgあたり致死量250~550mgになります。
キシリトール中毒
- 震える(手足に力が入っているのような震え)
- おう吐
- 低血糖の症状
ガムなどに入っているキシリトールが中毒の原因です。
キシリトールがインスリンの分泌を過剰に促してしまい、低血糖の症状や肝障害を起こします。
食べてから、おう吐し始め、1時間以内に低血糖の症状がでます。
個体差がありますが、1kgあたり致死量0.1gになります。
カフェイン中毒
- 震える(手足に力が入っているのような震え)
- おう吐や下痢
- 興奮(呼吸が荒くなる)
- ふらつき
- 多尿や尿失禁
日本茶やコーヒーなどに含まれるカフェインが原因です。
この他、抹茶や紅茶、コーラや栄養ドリンクも中毒の原因となります。
特に、茶葉そのものはカフェインの含有量が多いので注意が必要です。
食べて(飲んで)から、1~2時間程度で症状がでます。
個体差がありますが、1kgあたり致死量100~200gになります。
アルコール中毒
- 震える(手足に力が入っているのような震え)
- おう吐や下痢
- 血圧低下
- 意識朦朧
- 呼吸困難
アルコールが原因の中毒です。
アルコール摂取後、半日~1日以内に半数が死亡してしまう程の強い中毒症状が出ます。
アルコール度数によって変わりますが、10%で1kgあたり致死量50mlになります。
犬も寒さが原因で震えます
童謡「雪やこんこ」あるように犬は寒さに強いように思われがちですが、実は寒いのも苦手。
こんな風に震えていたら、病気ではなく寒くて震えています。
- 震える(ブルブル)
- 丸くなっている
- 動きたがらない
- 水をあまり飲まない
体や肉球、口や耳の中が冷たいと感じたら、犬が寒いと感じているおそれがあります。
低体温が続くと大変危険なので、すぐに毛布などに包んで抱っこし、体を温めてください。
お腹と足を意識して温めましょう。
食欲があるなら、食事で体の中から温めるのも効果的です。
鶏や牛肉のスープ(味付けなし)をドッグフードにプラスするのがおすすめ。
寒さに弱い犬は?
柴犬や秋田犬などの日本固有の犬種は、寒さに耐性がありますが、室内犬は人と同じ暮らしに慣れており、寒さに弱くなっています。
小型犬(チワワ・ヨークシャーテリア・トイ・プードルなど)
体重が5kg未満の犬は、体が小さい為、体温を保ちにくくなっています。
特に、毛足の短いスムースコートのチワワは寒さに弱いです。
スムースコートの犬(ミニチュアピンシャー・イタリアングレーハウンド・パグ・フレンチブルドッグなど)
毛足が短いので、寒さに弱い。
室内であっても洋服を着せるなどの防寒対策が必要です。
子犬・シニア犬
子犬は体温調節機能が未発達、シニア犬は体温調節機能が衰えています。
体温が下がりやすいので、注意が必要です。
夏場に使う冷房(クーラー)も、寒さによる震えの原因となります。
冷房(クーラー)の冷たい空気は下に流れるため、低い位置にいる犬は冷房の影響を受けやすくなります。
夏場の寒さによる震えは、ハウスやケージの場所を見直してみましょう。
怖さやストレスが原因で震える
犬は、精神的なことが原因で震えることがあります。
こんな場面で震えていたら、強いストレスや怖さからくる震えかもしれません。
- 雷
- 地震
- 掃除機
- 病院
- いつもと違う場所
震えの原因が精神的なものは、飼い主さんが落ち着かせることができます。
優しく声をかけながら、ゆっくり撫でたり、抱っこしてあげましょう。
犬が落ち着くと、自然に震えは止ります。
高齢が原因で後ろ足が震える
高齢犬が震えるには、複数の原因が重なっていることがあります。
筋力の低下による震え
病気や寒さ、怖さやストレス以外に、後ろ足の筋力低下でも震えることがあります。
犬も人と同じように、高齢になると筋力が落ちます。
四足歩行の犬は、歩く・立つ・座るのすべて動作に後ろ足の筋力が必要です。
高齢犬の足の震えは、後ろ足で踏ん張ることが出来ないために起こります。
そのままでは筋力が衰えてしまうので、無理のない程度の運動を行い、筋力を維持を目指しましょう。
痛みによる震え
高齢犬の足の震えは、病気ではなく、痛みによって震えることもあります。
特に、高齢犬になると多くなるのが「関節炎」です。
動くたびに関節に痛みが伴います。
- 立ち上がると足が震える(プルプル)
- 足を引きずる
- 寝た姿勢が多くなった
- 階段の上り下りを嫌がる
このような症状が見られたら、関節炎を起こしているおそれがあります。
一度、動物病院で診察を受けましょう。