腎臓病(腎不全)が心配な老犬のイメージ

犬の腎臓病(腎不全)は、何らかの原因で腎臓の機能がうまく働かなくなり、最悪の場合は死に至る怖い病気です。

老廃物の排泄がうまく出来なくなり、腎臓の機能の75%以上が失われた状態を腎不全と言います。

犬の腎臓病には、急激に発症する「急性腎不全」と、一般的な腎不全である「慢性腎不全」の2種類があります。

それぞれ症状と治療法が違います。













犬の急性腎不全の症状

犬の急性腎不全は急激に悪化するので、当てはまる症状があればスグに動物病院を受診してください。

  • 意識が低下し、目がトロンとしている
  • ふらつきがある
  • 呼吸が荒い
  • おしっこをしない
  • おう吐する

特に、中毒性によるものが原因の場合は、一刻も早く受診しましょう。

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犬の急性腎不全の原因は主に4つ

犬の急性腎不全は、命に関わる病気です。

短い期間で病状が変化し、急激に悪化していくので、一刻も早い治療が必要になります。

何らかの中毒によるもの

フードやおやつに限らず、何か犬が食べたモノによって中毒症状を起こし、腎臓の動きが低下します。

ぶどう(レーズン)中毒

ぶどう(レーズン)による中毒は、最近になって分かりました。

皮についているカビや、残留農薬が原因とも言われていますが、何故ぶどう(レーズン)で中毒を引き起こすのか理由がハッキリと分かっていません。

一般的に、犬の体重1kgあたり32g食べると中毒になると言われています。

原因が解明されていないので、少量でも与えるのはやめましょう。

誤って食べてしまった場合は、犬に腎臓病の症状が出ていないか注意して見てください。

抗生剤などの薬によるもの

一部の抗生剤、抗がん剤、 非ステロイド系抗炎症薬、造影剤によって中毒が起きます。

人間の薬を誤飲するケースもあるので注意しましょう。

エチレングリコール中毒

車のラジエーター液や不凍液、保冷材などに使用されており、魚のような匂いと甘味があるので犬が好んで食べやすいです。

このエチレングリコール自体には毒性はありませんが、体内に入ると強い毒性に変わります。

ティースプーン1/5杯程度の少しの量で致死量となります。

腎臓の異常によるもの

腎臓そのものが悪くなったことが原因で発症するため、腎性急性腎不全とも言われます。

腎盂腎炎(じんうじんえん)などによる感染症や、ネフローゼ症候群などが多いです。

おしっこの障害によるもの

おしっこを排出する為の経路が閉塞していること(排尿障害)が原因で発症するため、腎後性急性腎不全とも言われます。

膀胱や尿管が結石や腫瘍によって塞がれたり、事故によって尿路が傷ついたりした場合に起こります。

他に病気が関連している

何か他の病気の影響で、腎臓への血流が弱まることが原因です。

腎前性急性腎不全とも言われ、大量の出血・脱水・下痢・心不全・熱中症などで起こります。

犬の急性腎不全の治療法

緊急性がある為、入院での治療が必要になります。

早い段階で治療できれば、完治することもあります。

通常の治療法

血液検査
血液の数値を調べます。
レントゲン・エコー
画像診断でより詳細な腎臓の状態を見ます。
静脈内点滴治療
脱水症状を改善します。

おしっこがでない場合

腹膜透析
腹膜に輸液を入れて、毒素を輸液に浸透させて時間を置き、回収します。
血液透析
血液を一旦取り出し、機械を使って老廃物を除去して、また体内に戻します。

犬の慢性腎不全の症状

犬の腎臓病は、早く異変を見つけることが大切です。

  • 水を飲む量が増えた
  • おしっこの量が増えた
  • 食欲がない
  • 便秘がちになった
  • 毛艶が悪くなった
  • おう吐する

特に、水を飲む量・おしっこの量が増える多飲多尿の傾向がみられる場合は、腎不全の可能性が高いです。スグに病院で検査をしてください。

犬の慢性腎不全の原因

犬の慢性腎不全は、老犬によく見られる病気の一つです。

発症の明確な原因(きっかけ)を特定するのが難しい病気です。

そのため初期の段階で見つけるのはとても難しく、症状が出た時はかなり悪化している可能性があります。

様々な腎臓疾患によってネフロン(血液をろ過し、尿を作る器官)が壊れていく事が原因です。

また、食事による塩分やタンパク質の摂りすぎや、急性腎不全からの移行も原因の一つになります。

犬の慢性腎不全の治療法

腎臓は、再生できない臓器です。

元の健康な状態には戻れないので、病気の進行を遅らせ、悪化させない為の治療になります。

腹膜透析
腹膜に輸液を入れて、毒素を輸液に浸透させて時間を置き、回収します。
血液透析
血液を一旦取り出し、機械を使って老廃物を除去して、また体内に戻します。
投薬
低下したホルモンを増やすホルモン薬や、血圧を安定させる血圧の薬などを投薬します。
食事療法
腎臓に負担が懸からないように食事を見直します。

犬の腎臓病(腎不全)の食事

腎臓病(腎不全)の犬の食事は、とても重要です。

老廃物が体に溜まると、腎臓への負担が増すので、消化が良い物を選びましょう。

リンの量を制限する

リンは、細胞や骨を作るのに必要な栄養素ですが、腎臓の働きが低下していると余分なリンを排出できなくなります。

そのため、リンが体内溜まり、腎臓病が悪化することが分かっています。

目立った症状もなく正常に働いている腎臓でも、高齢犬は負担となるので、リンの制限を行いましょう。

質の良いタンパク質を摂る

腎臓に負担を懸けない低タンパク質が薦められていましたが、最近では質の良いタンパク質を摂るという傾向に変わっています。

必須アミノ酸を多く含んだの良いタンパク質は、消化率が高いので老廃物が溜まりにくくなります。

タンパク質の制限は、腎臓の状態によって違うので、獣医師の指示に従ってください。

塩分を控える

塩分の摂りすぎは、血圧の上昇に繋がります。

血圧の上昇は、腎臓病(腎不全)を悪化させるので、注意しましょう。

腎臓病(腎不全)におすすめドッグフードは?

食事は、治療の1つなので愛犬にあった物を見つけてあげましょう。

療養食は、口に合わない犬も多くいるので、食事を食べない時は、少し温めてあげたり、食材を足してあげるなど工夫も必要です。

リンの量が少ないドッグフード
  • ロイヤルカナン(腎臓サポートドライ)
  • ヒルズ(プリスクリプション・ダイエットk/d)
  • ナチュラル・ハーベスト(セラピューティックフォーミュラキドニア)
減塩のドッグフード
  • ホリスティックレセピー(減塩)
  • フォルツァディエチ(アクティブライン リナールアクティブ)
高タンパク質が取れるドッグフード

犬の腎臓病(腎不全)でおやつは?

犬にとって「おやつ」は特別なものです。

食事制限があると、カロリー不足になりがちなので、おやつで補ってあげましょう。

もちろん、制限があるので市販のジャーキーなどは難しいですが、蒸かしたサツマイモやカボチャなど工夫しだいで色々与えることができます。

腎臓の状態によって違うので、獣医師の指示に従ってください。

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