糖尿病の疑いがある犬のイメージ

現在では、犬も家族の一員という認識が当たり前です。

当然、生活環境や生活習慣も人と同じようになり、犬も人と同じ病気になる確率が高くなっています。

愛犬を可愛がる気持ちは大切ですが、正しい知識を持って健康をコントロールしましょう。













犬の生活習慣病【糖尿病】はとても怖い病気

犬の糖尿病は、すい臓で作られるインスリンが、何らかの原因で不足したり、働きが悪くなる病気です。

インスリンが正常に働く場合、血糖(血液中のブドウ糖)を必要な分だけ細胞に取り入れることが出来ますが、糖尿病のなるとインスリンの不足や働きが悪くなり、血液中のブドウ糖を処理出来なくなり、血糖値が上がります。

血糖値が高い状態でほっておくと、合併症を起こしやすくなり、場合によっては命を落とす危険があります。

犬の糖尿病の症状

犬の糖尿病は、明らかに痩せない限り見た目では判断できません。

日頃から、愛犬の様子をよく観察する事が大切です。

  • 水を飲む量が増える
  • おしっこの量が増える
  • 食欲が増す
  • 食べているのに、体重が減る
  • おう吐・下痢をする

特に、食欲が増したり、食べているのに体重が減る場合は、糖尿病の可能性が高いです。

早めに動物病院の受診しましょう。



犬の糖尿病の4つの原因

犬の糖尿病の原因は、主に4つあります。

生活環境によるもの

ご飯やおやつの与え過ぎ、運動不足、ストレスなど生活環境によるものが原因となります。

これらは、肥満の原因にもなり、他の病気を併発することに繋がります。

遺伝や先天性によるもの

遺伝によって罹り易い犬種があります。

  • ミニチュア・シュナウザー
  • ダックスフンド
  • ヨークシャー・テリア
  • トイ・プードル
  • ビション・フリーゼ

性別と年齢によるもの

年齢は、6歳以上が多く、1歳以下はわずか数%しかいません。

性別は、雄犬よりも雌犬が2倍以上多い。

これは、ホルモンが関係するからと言われています。

内分泌疾患によるもの

他の病気が原因になります。

その他、ステロイド剤の投与や細菌感染も原因になります。

糖尿病による合併症

糖尿病は、様々な合併症を引き起こします。

  • 白内障による視力低下、または失明
  • 白内障により生じるブドウ膜炎
  • 皮膚感染症
  • 慢性すい炎
  • 細菌感染

犬の糖尿病で特に多いのが、白内障です。

糖尿病を発症してから、早ければ1~2カ月くらいで白内障を合併することもあります。

早期に予防・治療を行えば、進行を止めることができます。

糖尿病性ケトアシドーシスに注意

合併症でもっとも怖いのは、糖尿病性ケトアシドーシスです。

糖尿病を放置すると、インスリンが減る為体内の細胞にブドウ糖が回らなくなり、エネルギー不足の状態になります。

エネルギーが足りない細胞は、体の脂肪を分解してエネルギーに替えるのですが、このとき体に良くない物質ケトン体もできます。

糖尿病のように慢性的なエネルギー不足の状態だとケトン体が生産され過ぎてしまい、分解できなくなります。

分解できなかったケトン体は、どんどん蓄積されていくしかありません。

やがて体のpHが酸性になり、飲食が出来なくなる程衰弱し、最悪の場合意識混濁に陥ります。

糖尿病性ケトアシドーシスでの意識混濁は、死亡率が高くとても危険です。

  • 水を飲まない
  • おう吐
  • 下痢
  • ぐったりしている

これらの症状が出たら、すぐに病院を受診しましょう。

犬の糖尿病は『1型糖尿病』が多い

糖尿病には、2種類あります。

  • 1型糖尿病:インスリンが不足するインスリン依存型
  • 2型糖尿病:インスリンの分泌は正常だけど、働きが弱いインスリン非依存型

犬の糖尿病で多いのが、インスリン依存型の1型糖尿病です。

犬の糖尿病の治療方法

糖尿病の治療は、1型糖尿病・2型糖尿病によって異なります。

1型糖尿病の治療方法

1型糖尿病は、インスリン投与が基本です。

インスリン投与と平行して、食事療法やその他の疾患の治療も行います。

投与するインスリンの量や回数は、血液と尿の糖分を検査して決め、生涯続ける必要があります。

毎回、注射をするのはとても辛い事ですが、愛犬が長生きする為に必要な行為です。

インスリンを注射で気を付けること

インスリンの注射は、間違った使い方をするとインスリンが正常に効きません。

容量用法をしっかり守って、注射を行ってください。

  • 同じ場所には注射しない(皮膚が固くなり、注射の効果が薄れます)
  • 専用の器具を使う(インスリン専用の器具を使います)
  • 容量を正確に注射する(少しの違いで効果が変わってしまいます)

注射後に急に震えたり、元気がなくなったら、インスリンの投与量が多く低血糖になっている可能性があります。

低血糖の症状が出たら、砂糖水や蜂蜜、ガムシロップなどの糖分を与えてから病院へ行きましょう。

自力で糖分が取れないくらいに弱っている場合は、上顎につけて与えてるか、スプーンやスポイトで口に直接入れてください。

2型糖尿病の治療方法

食事療法と血糖降下剤で治療していきます。

状態によって、インスリンの投与を行いますが、毎回ではありません。

犬の糖尿病の食事管理

毎日の食事によって、血糖値が変動するので、食事療法も大切な治療のひとつです。

食事は、インスリンの量が関係してくるので、飼い主による食事管理が必要になります。

糖尿病用ドッグフード

通常食事をすると血糖値が上がりますが、糖尿病用の療法食では食後ゆるやかに血糖値が上がるように調整されています。

いろいろなメーカーが糖尿病用のドッグフードを出していますが、犬の好みに合わないとなかなか食べてくれません。
獣医師と相談しながら、愛犬に合うフードを見つけてください。

モグワンドッグフード「グレインフリー」

モグワン(ドッグフード)のパッケージ

糖尿病の犬は、バランスの良い食事を続ける事が重要です。モグワンは、良質なタンパク質・ミネラル・ビタミンがバランスよく配合されています。

グレインフリーのドッグフードなので、血糖値が上昇する原因となる穀物を使用していません。

穀物の代わりに、食物繊維が豊富なさつまいもが入っており、血糖値の上昇が緩やかにします。

『モグワン』ドッグフードなら愛犬の食いつきが違う?

ロイヤルカナン「糖コントロールドライ」

ロイヤルカナン 糖コントロール ドライのパッケージイメージ

糖尿病の犬の為の食事療法食です。炭水化物の中でも糖の吸収が緩やかな大麦を使用しています。

高タンパク低炭水化物なので、消化吸収に優れています。

ファインペッツ「極(KIWAMI)」

FINEPET'S 極(KIWAMI)のパッケージ

主原料であるアヒルは、ビタミンやミネラルが豊富です。使用している原材料の90%を肉類なので、消化吸収が高く、質のいい高タンパク質を摂る事ができます。

EPAやDHAが豊富なニシンも入っているので、血糖コントロールをサポートします。

ファインペッツ ドッグフード「極(KIWAMI)」

犬のカロリー計算の方法

1日に食べる量によって、インスリンの調整を行うのでドッグフードの給餌量は、とても重要です。
※ドッグフードのパッケージに書かれている給餌量は、メーカーによって異なるので注意してください。

1日当たりのエネルギー要求量(DER)は、安静時エネルギー要求量と係数をかけます。

まずは、安静時エネルギー要求量を出します。

安静時エネルギー要求量=70×(体重㎏)0.75乗

ドッグフード量の目安を計算【犬の食事量と給餌回数】

電卓で計算する場合
  1. 数字を3乗する
  2. √のボタンを2回押す
  3. 2の答えに70をかける

係数は、犬の年齢や状態によって設定された倍数になります。

  • 4カ月までの幼犬 3.0
  • 4カ月から1歳になる前の幼犬 2.0
  • 1歳以上の成犬 1.8
  • 不妊手術済み 1.6
  • 肥満 1.4
  • 減量中 1.0
  • 妊娠中 1.8~3.0
  • 授乳中 4.0~8.0
  • 老犬 1.4

<例>

体重が5キロの肥満傾向の犬の場合

234(安静時エネルギー要求量)×1.4=327.6

1日当たりのエネルギー要求量は、330calとなります。

犬の糖尿病を予防しよう

糖尿病は、生活習慣病でもあるので日常生活を少し見直すだけでも予防になります。

肥満に気を付ける

肥満は、糖尿病だけでなく、いろいろな病気を引き起こす要因となります。

適度な運動を行い、食事に注意してください。

ドッグフードやおやつを見直す

年齢や犬の状態によって必要な栄養が違うので、合ったものを与えましょう。

高齢犬は、脂肪分が少なくカロリーが控えめなシニア用ドッグフードに切り替えてください。

おやつも与えすぎない事が大切です。

定期的な健康診断を受ける

一番の予防は、やはり定期的な健康診断です。

特に、6歳以上になると糖尿病の発症率が高くなるので、健康診断(血液検査)を行いましょう。

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